【あとがき】『ゲームな時間の缶 KICK!』(2023-01-22, #424927 monogatary) ― 2023年01月22日 19時19分
『ゲームな時間の缶 KICK!』 追記:公開終了しました。移転公開未定。
投稿日: 2023-01-22
ジャンル: 恋愛
字数: 約1750字
お題「缶蹴りと門限」への投稿。
お題の「缶蹴りと門限」が難しい。
「缶蹴り」も「門限」もかなり汎用性がないうえに、この両者がセットなので、解釈の自由度が低い。
さまざまな構想案を出しました。
例えば、宇宙空間などでの缶けりとか。『バスカッシュ!』的な缶けりとか、超次元缶けりとか。
缶の飛距離を延ばして、「門限」を空港の門限のことにして、全世界でやる案とか。
無謀。
結局は、そのままの意味で「缶けりと門限」をモチーフとしてどこかに出す小説にしてしまいました。
そしてそうなると、テーマ(作品主題)先行ではなくモチーフ(お題)先行になり、つまり社会批判性を入れ込むのが困難になりました。
残念。
本作は、いかに「缶蹴りと門限」言葉通りだけの物語にしないか、結末はかなり強引です。
表題は、本文完成後に。かなり無理に絞り出しました。
ジャンルを、恋愛に設定するか、青春・学園に設定するかも、最後に決めました。
だらだら気味な難あるものの、2000字は切った。
以下 ネタバレ
口調も悩みました。当初は二人とも男っぽめにもしていてゲイな余地も残そうかと思いましたが、
「私」を女性ジェンダー的にし、しかし他方で「女」と明示した部分をトルことにしたのが、最終稿です。
(それほどまでに私は、シスジェンダー・ヘテロセクシュアルを暗黙の前提にしたくないんです!!)
物語は、アーケードゲーム、缶けり、二人の駆け引き(みたいなもの)の3つとも、「ゲーム」です。
「門限」は、卒業までのタイムリミットにもなぞらえています。
缶がモチーフの一部なので、中途半端でありながらある意味で「幸福な」時間を閉じ込めたいという、缶詰のたとえ。
当初は、「シュート」(告白)と「ゴールゲート」をモチーフにしようともしましたが、それでは缶けりではなくサッカーなので、
ギリギリまで缶けりへと譲歩して詰めました。
以上
【あとがき】『「長幼の序」とは いうたけど』(2023-01-19, #424608 monogatary) ― 2023年01月22日 09時32分
『「長幼の序」とは いうたけど』
追記: NOVEL DAYSに移転、再公開。
初出投稿日: 2023-01-19
ジャンル: SF・ファンタジー
字数: 1500字弱
お題「古参VS新規」への投稿。
このお題、monogatary.com 運営はユーザ間の対立をあおりたいのでしょうか……?
なにがやりたいのかわかりません。
「古参」「新規」という語彙は、オンラインゲームやらで用いられるスラング、
しばしば挑発的表現や蔑む目的で用いられたりするように思います。
それで私は、年長年少の年齢差別や、年功序列の差別、そして世代間対立を根底から覆す目的で書いた。
「長幼の序」というのは、封建的、儒教的な序列概念。
日本にはとりわけ江戸時代から根強く、現在でも企業などでは、江戸時代の丁稚奉公の慣習を事実上は受け継いでいる。
例えば、上座とか下座とか、冗談みたいな不文律が一般的。
表題に、「いうたけど」というのは、大阪弁の先触れ。
「い」が ひらがな なのは、「謂」の漢字が適切であるけれども、いまや一般的に用いられない字だから。
そのため、読み易く、またmonogataryでの表紙(扉絵)の改行位置を決めるために、「とは いうた」と空白文字を挿れた。
以下 ネタバレ
つまり、マクロスシリーズとかに出てくる世界なので、ありふれたコンセプトであると思う。
どうしても、人類が地球をぶっ壊しているという現実を、なんらかのかたちで批判的に組み込みたかったのです。
コールドスリープによって、限られた人口で世代交代を遅らせ、いくらか「時間稼ぎ」をして旅をしている。
本作は、移住可能かもしれない惑星を発見して、いよいよ調査するという段階に至っているときの物語。
作中表現ではなるべく、「夫」「妻」などの表現を避けた。
基本的に、「上の子」「下の子」と表現しており、その点では年齢の上下で区別している。
だが、コールドスリープのある世界。
実際に起きて暮らした年数は、記録上の年齢と一致しないので、この「上下」には偉いも卑しいもない。
そもそも、親のほうが我が子よりもブランクが長くなってしまい、時代についていけなくなっている、「出戻り新規」である。
そしてこれは、現実社会の、固定観念に凝り固まって柔軟な思考能力を損なった人々に対する批判である。
つまり、年上世代は実質的に、現実に合わせられない、「出戻り新規」と似たようなものなのである。
本作で一人称主人公は母親でありますが、大阪弁なのは、SF遠未来っぽい感じをなるだけ予期させないため。もっとも、ジャンルが先に見切れてしまっているわけではあるが。
たださらにいえば、親世代が大阪弁が濃くて、子世代は濃くない。むしろ子世代はこの両親にほとんど育てられていないから。
どのように育つ社会システムなのかは、作中では言及していない。「下の子」は2歳くらいで実親から離れているのだが。
さて、どっちが偉いのか?
結論として、偉いもなにも意味がない。
以上
【あとがき】『適量適所』(2023-01-20, #424699 monogatary) ― 2023年01月22日 07時47分
『適量適所』
追記:NOVELDAYSに移転再公開。
初出投稿日: 2023-01-20
ジャンル: ヒューマンドラマ・日常系
字数: 1200字弱
お題「塩梅」への投稿。
音楽&恋愛要素の作品。
monogatary.com は SME (ソニーミュージック) のサイトであるがゆえ、
音楽と小説をどう融和させるかを私なりにも考えていて、その一環で音楽モチーフの小説を書いた例。
表題が、ひねりもなにもなく、テーマ、メッセージそのものをあらわしている。
以下はネタバレ
「状況によって適量は異なり、一意解(絶対解)はないんだ」というのが、本作のテーマ。
つまりいわば「正解は、ときと場合(TPO)により異なる」ということ。
エフェクトの適正量は鳴らす環境によって異なる。
鳴らすスピーカーによって、音源の適正バランスも異なる
(例えば、ちゃちなスピーカーには、フラットよりドンシャリのほうが聞こえやすい)。
そして、否定しすぎる(過剰に否定する)とバレバレだ、っていうオチ。
そんな、あまりにもシンプルで平易な小説。
私としては平易すぎて低レベルに思うわけですが、
この程度の薄い内容のほうが反響が多い模様……。
読者層のレベルの問題でしょうか? それとも、本気で労力かけて読まないからなのでしょうか?
(泣)
以上
【あとがき】『お鍋夕べルナ』(2023-01-21, #424848 monogatary) ― 2023年01月22日 03時56分
『お鍋夕べルナ』追記:公開終了しました。移転公開未定。
2023-01-21 投稿、monogatary.com story #424848
ジャンル: SF・ファンタジー3300字あまり。
お題「お鍋を囲む物語」への投稿。
ミステリーとサスペンスが混じったようなSF・ファンタジー。
構想はできたものの、テーマ性をうまく入れ込む着想が出てこないなか。
別件で、絶望感や無力感などにうちひしがれて、気力体力がそがれてしまった。(旧)大晦日なのに。
気力なく取りとめなく書いてしまい、登場人物達も、物語も、混濁し破綻してしまったまま、急いで投稿。3章立てになってしまい、完成度これでも完了は0時越え。
構想もそれほど斬新でも独創性があるわけでもないと、自覚もあります。
以下は、ネタバレ
表題も強引ですがこれは、お鍋、ゆうべ、Lunar です。
月食に鍋パーティー(鍋パ)をすると入れ替わるというオカルトもの。
観察者の「私」は、鍋パの参加者ではなく、入れ替えをしかけている存在。
失踪したミヅキの中味はユウト。
現在のヒトシの中味がミヅキなので、戻る身体がないわけ。
性を超越した話をしたかった。
ミヅキは男として結婚している。
お話の現時点ではアカネの中味がヒトシで、ユウトの中味がアカネ。この二人は男女入れ替わりの状態で、互いにちょっと惹かれ気味。また、他人にいえないこの事情を抱えたままならば、この3人中2人、ないし、3人で、共同生活をしたほうが合理的でさえある。
月食に鍋パーティー(鍋パ)をすると入れ替わるというオカルトもの。
観察者の「私」は、鍋パの参加者ではなく、入れ替えをしかけている存在。
失踪したミヅキの中味はユウト。
現在のヒトシの中味がミヅキなので、戻る身体がないわけ。
性を超越した話をしたかった。
ミヅキは男として結婚している。
お話の現時点ではアカネの中味がヒトシで、ユウトの中味がアカネ。この二人は男女入れ替わりの状態で、互いにちょっと惹かれ気味。また、他人にいえないこの事情を抱えたままならば、この3人中2人、ないし、3人で、共同生活をしたほうが合理的でさえある。
以上
【あとがき】『神は世界を救う』(2023-01-24, #425157 monogatary) ― 2023年01月24日 19時13分
日本語の名詞には複数形がない。ただし、一定の名詞には繰り返すことで複数を指すことがある。
「神々」は複数だが、「神」は単数なのか複数なのか判りません。
お題の「世界を救うかもしれないお仕事教えてください」の、「世界」という語彙が何を意味するのかが問題になります。
少なからぬ人が、人類、人間社会のことを想定したようです。
しかし「世界」は、地球を指すことも普通であり、宇宙、全時空を指すこともありえます。
そして、私の問題意識としては「人類こそが地球や地球の周囲を破壊している」ということです。
そうすると単純に考えれば、人類を滅ぼすことのほうが世界を救うことになる。
だからますは、人類以外の生命体、地球外生命体、機械・プログラムといった者が人類を滅ぼそうとする物語を着想しました。
そうすれば、典型的なSFストーリーでしょう。人類社会批判と同時に、恐怖や後味悪い読後感を与える作品になるものと思われます。
しかし、人類 対 敵 という二極対置構造になりますね。
そうすると、作品に対する嫌悪感や反撥を招きますし、
物語の現実味がなくなり読者が罪悪感を抱かずに「あくまでもフィクションだ」と思いかねませんし、
作者に対して「そういうアンタはどうなのよ?」っていう批判も返ってきて、作品の本旨が置き去りにされ論点がズレてしまうでしょう。
そこで、人類を敵視するのではなくて、人類視点を混ぜた、一人称主人公をヒトにした「着地点」が本作です。
主人公は人類代表で、いわゆる「やおよろずの神々」の非難を受け、謝罪を続けています。
オチの主人公の一言がいささかコミカルで、作品趣旨の鋭さを和らげつつも、共感を誘います。
さて、お題は「世界を救うかもしれないお仕事教えてください」ですが、
本作では、それはどういう「お仕事」だといっているのでしょうか?
世界を支える神々です、という答えは、正解に近いですが、半分しか合っていません。
察しがよければ、ちゃんと読んでいれば、おそらく気付くはずです。
冒頭に翻って。
表題は「神は地球を救う」ですよね。
単数の「神」だとしたら、いったい誰なのでしょうか。
主人公の「私」。人類代表の「神」です。
つまり、このコンテクストでとらえれば、
「神(人類代表)が、ほかの神々に謝ることで人類を延命してもらって、人類社会(世界)を救っている」
というのが、もうひとつの解釈なのです。
by 和順 萌絵 [作品あとがき] [コメント(0)|トラックバック(0)]